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    記事No.34 [題名の浮かばない物語 1] 返信ページ
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    ■34   題名の浮かばない物語 1 
    □投稿者/ 瑠雨 2回-(2013/03/16(Sat) 08:35:57)

    再生の村、アトロ。
    ここでは空から何かが降ってくる。
    それがこの村では当たり前の現象になりつつあった。

    この村に住んでいる人々は『他の世界で生きていたが、不要とされた』ものたちである。
    ここではごくわずかではあるが、生命が誕生する。
    ふたりの青年、『ルビィ』と『フィア』がその例である。

    ふたりはいつも、外に出てはまだ何もない世界を見つめていた。

    「ねえ、フィア。オイラ達いつ冒険ができるんだろ」
    「いつもしてるじゃない」
    「そういうのじゃなくてさぁ」

    ルビィが言う『冒険』は様々な場所を旅すること。
    フィアが言う『冒険』は毎日がそういうこと。

    「そういえばさ」

    フィアが続ける。

    「不要になるって、どんな感じだろうね」
    「うーん、どうだろう。でもさぁ、それはそれで…」

    ルビィが言いかけたそのとき、ふたりの後ろで大きな爆発音がした。
    そのとき一瞬、フィアには世界が見えたような気がした。

    「ルビィ、行くよ」
    「え、どこに?」
    「前に進むんだ」
    「いいのかなぁ」
    「うん」

    フィアはルビィの手を握ると走り出した。
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